代表幹事が関戸紹作に変わり平成の時代になります。かつて在籍していた元会員達6名が(註1)さらに日本芸術院会員になります。山岳画協会としては送り出したと解釈して拍手をおくります。かつて同じ会場の展覧会で作品を並べて展示した同胞の受賞は感無量です。
1996年(平成8年)協会は創立60周年を迎えます。しかし会員数は18名になっていました。
立派な60周年記念誌を上梓します。
平成14年牧潤一が代表幹事になります。牧は会員を少しずつ増やそうと奔走します。牧は雑誌やマスコミ界に精力的に露出して日本山岳画協会の名を広めていきます。また牧の時代からアウトドアー企業のモンベルが会場を提供してくれることになり、山岳画集団の当協会に力をいただけるようになり現在まで続いています。しかし牧は体調を崩して引退します。
会員は13名になっていました。
平成19年武井清が代表幹事に就任します。やがて中興の祖となる武井は総会で①協会の作品のレベルを上げる。②協会員を増やす。③協会の知名度を上げる。と宣言して登場します。すでに76才でした。内外の山岳美を紹介する作品。我が国の画檀に異色の一角を形成する集団を標榜しました。作品の合評会の席上ではいつも積極的に発言しました。会員増員新人発掘に東奔西走します。展覧会は26年間続いた千代田区の朝日アートギャラリーから有楽町、東京交通会館に会場を移していました。また武井の時代から記念誌を5年周期にあらためハードカバーのカラー画文集としました。自身も登山、スキーの現役ぶりを体現してみせました。
80才を過ぎても他の会員に負けない元気ぶりで中興の祖となりました。
2016年(平成28年)その年長野県の丸山晩霞(創立会員)記念館、と安曇野山岳美術館での2カ所の日本山岳画協会展が実現し忙しい年になります。これらの山岳画と縁の深い施設との縁はその後も続いてゆきます。
そして武井は高齢を理由に勇退し後継を江村眞一にゆずります。
江村は2020年(令和2年)当協会創立以来最大の展覧会を実現させます。北アルプス展望美術館で3ヶ月間100号の作品が60点展示する入場有料の展覧会でした。しかも大町山岳博物館と同時開催という離れ業のような差配を指揮します。時に新型コロナウイルスの発症期と重なり一時閉館されるなど手探り状態のなかの開催となりました。
そして2022年次なる代表幹事の時代へと移っていきます。
2023年で日本山岳画協会は87年を迎えます。
創立90周年記念展は目前となりました。
(註1)楢原健三(昭和63年受賞)、井出宣通(平成2年)、伊藤清永(H3)、佐竹徳(H3)、田村一男(H4)藤本東一良(H5)